今年のフランス映画祭は5本鑑賞。
金曜日は一日3本見たけど、さすがは映画館、椅子がちゃんとしているから全身の疲労度が全然違った!
あと見た作品すべてでFAQの進行役が矢田部さんだったので、より一層楽しめました。
難を言うならば、2日目からの会場がショッピングモールの中にあったこと。
通りすがりにオゾンのこと「ブラマヨ?」とか言う高校生、
ジュリー・ガイエさんを見て「なにあれ?マジきれいじゃね?」ていうヤンキー。。。
いや高校生もヤンキーも全然悪くないんですよ、
私もEXILEとかAKBのメンバー見てもさっぱりわかんないですもの。
来年また映画祭が横浜で開催されるのであれば、
パシフィコ横浜や赤レンガで…是非に…と切に思ったのでした。
それでは見た作品をちょっとずつ備忘録的に。
オープニング作品『セラヴィ!』 Le Sens de la fête
『最強のふたり』のエリック・トレダノ&オリビエ・ナカシュ監督作品。
『サンバ』がいまひとつだっただけに、あまり期待をしていなかったのですが(失礼)、完全に裏切られました。
客の顔色を伺いながら、狙った感たっぷり…といった演出はなく、自然な流れで笑ってしまっていた。
周りの観客がフランス人だらけだったのもあって、一緒に声出して笑った。
でも最後は感動で涙が出た…
今年の観客賞受賞。納得。面白かった!
主演はムッシュ・カステラ(最近だとシム氏)のジャン=ピエール・バクリ。
そして僕らの癒しキャラ ヴァンサン・マケーニュも!
『カミーユ、恋はふたたび』『女の一生』のジュディット・シュムラ、
グザヴィエ・ドラン組のスザンヌ・クレマン、
そして安定のジル・ルルーシュ、とキャストもとっても豪華。
でもこれに本番予告はネタバレ満載なので、完全に予備知識なしで見るのがおすすめです。
Copyright Thibault GRABHERR 2017 QUAD+TEN / TEN FILMS / GAUMONT / TF1 FILMS PRODUCTION / PANACHE PRODUCTIONS / LA COMPAGNIE CINEMATOGRAPHIQUE
『グッバイ、ゴダール!』 Le Redoutable
『アーティスト』のミシェル・アザナヴィシウス監督作品。
公開が決まっていたので映画祭ではスルーするつもりでしたがTwitterで応募したら当選したので鑑賞。
パリ行き飛行機の小さい画面でうつらうつらしながら鑑賞済みなんだけど…やっぱり大スクリーンで堪能するのがいい!
ちなみに字幕は寺尾次郎先生でした。合掌。
(この後に見る『顔たち、ところどころ』も寺尾先生の訳)
ルイ・ガレルが頭髪剃ってまで挑んで熱演、ゴダールそっくりなんだけど
完全にアンヌ役のステイシー・マーティンちゃんに持っていかれた…!
『ニンフォマニアック』での若かりしジョー(シャルロット:ゲンスブール)を演じた時はこんなにも惚れなかったのに(まああれは役が役だっただけに)。
衣装もとても好みだった…なんだあのかわいさは。
ステイシーちゃん、ボブがよく似合っていたけど、アンヌというよりはシャンタル・ゴヤとかフランス・ギャル寄りに見えた。
あとでどこかの記事で読んだけど、やっぱりアンヌ本人そのものというよりは
『男性・女性』のシャンタル・ゴヤや、ファッションはジェーン・バーキンを、という感じで
その当時のカリスマたちを意識していたみたい。
Copyright Philippe Aubry – Les Compagnons du cinéma
フランソワ・モーリアックの孫娘のサラブレッド アンヌ・ヴィアゼムスキーはパリ・ナンテール大学(パリ第10大)の学生、18歳のときにゴダールと出会う。
ゴダールは30代後半で、既に成功を収めていたが老いを自覚していた。
1968年5月革命を境にゴダールは壊れていき、作品の方向性も変わっていく。
アンヌが他の監督の作品に出演するというと嫉妬心メラメラ。
次第にアンヌの心も揺れ動いて…
というお話し。
正直、最初この邦題はどうかと思ったけど、上映後に行われたトークショーで
セルジュ・トゥビアナさんがべた褒めしていた。
原題は「Le Redoutable」、作中出てくる「戦慄艦」のことなんだけど
「これはアンヌの目線で描いた作品だから、“グッバーイ!”とか”チャオ!”とか軽い感じなのが、とてもいい!」と。
「でもグッバイ、って言ってるけど、当の本人は健在だけどね(笑)」
そう、ゴダールは生きているのだ。バリバリ現役なのだ。
生きているうちにこんな作品を作ってしまったのだからすごい。
当時ゴダールはトリュフォーと決別した時期で、セルジュさんはグルノーブルまでゴダールに会いに行ったそう。
「2時間くらい話したけど、ゴダールの言葉は本当にちっとも理解できなかった。」って言ってました。セルジュさんですら理解できないのだから、凡人には到底理解できるまい!
通訳のかたは矢田部さんの小学校の時の同級生だったそう。
『中国女』を「中国人の女」、『気狂いピエロ』を「ピエロ・ル・フ」(原題)って言ってたのがちょっと気になりましたが、さすが安定の矢田部さんのカバー力でした。
アンヌ著の原作は↓こちら。ご存命のうちにもう一度お会いしたかったです…